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請戸(うけど)はなあ、昔からあ、江戸、水戸、請戸って云われてたのよ!
何時でも、ぴちぴちだぜ。そこんとこ、よろしく!
春はるうお魚 夏なつうお魚 秋あきうお魚 冬ふゆうお魚 地魚番外編
・おおげ(オオガイ)
・小女子(コオナゴ)
・がに(モクズガニ)
・白魚(シラウオ)
・ます(サクラマス)
・めばる(メバル)
・北寄(ホッキ)
・えっちがに(ヒラガニ)
・えぇなめ(アイナメ)
・すずき(スズキ)
・いせえび(イセエビ)
・さより
・あゆ(アユ)
・いわし(イワシ)
・かつを(カツオ)
・秋刀魚(サンマ)
・べろ(シタビラメ)
・さけのよ(サケ)
・しらす(シラス)
・たこ(タコ)
・まご(マコガレイ)
・ひらめ(ヒラメ)
・どんこ(ドンコウ)
・あんこ(アンコウ)
・たら(タラ)
・さがぼ
・まんぼう
・しいら
・かじき
・ますのすけ
・おきどんこ

・かすべ
 

春魚はるうお・厳しかった冬の気候も緩み、それまで墨絵的な阿武隈の山に、緑が萌え始めるころ、港には、田舎的な濃厚な味あり、はたまた繊細な味ありと両極端でありながらも、そこにはしっかりと一冬の生きた証とも言える力強さを感じさせる味が光る。ああ、生命の煌き!

★請戸標準呼称〜「おおげぇ」/【オオガイ】
 地元では、「おおげぇ」とか、「丸太」とか呼ばれる魚で一升瓶みたいに丸太してる魚です。川で生まれ、海で育ち、母川で産卵する魚です。12月頃の遡上初めは銀ピカしていて格好のいい魚ですが、この頃となると淡水に馴染んでなのか黒っぽく、得体の知れないような姿に変ってしまう魚です。
 あまり、船の人は食べない魚ですが、川の近くの人は鍋物にしてよく食べるようです。小骨の多い魚ですので、つみれにして食べると、いいダシがでて美味しいです。
−料理−
鍋物
・すり鉢で身をすって、ミツバやゴマを和えてつみれを。つみれを主体の鍋で好みで醤油味、味噌味試してみましょう。


★請戸標準呼称〜「こおなご」/【コウナゴ
 小女子と書いて「こうなご」。関西ではイカナゴですか?春を告げる魚です。小さい魚ですがこれが水揚げされ始めると、市場はにわかに活気づきます。春の風が吹いて、水揚げされたコウナゴが加工場にトラックで運ばれるとき、ウミネコがトラックに続いて列をつくって続きます。ウミネコまでもが待つコウナゴ。酒のつまみに最適です。
―料理―
・小女子の刺身(浜限定!)
 
新鮮な小女子を洗った後、酢醤油、また醤油にて食べる。 七味を散らすとめっちゃ旨の浜の味です。その独特の食感とお楽しみあれ。
・小女子(こちらが一般的、干したヤツ)
 
旨いのはそのままで、何もいりません。飲んでつまんで、飲んでつまんで、終わりがない!?胡麻油をチラッとかけるのも面白い。体のために、ちゃんと戻しましょっ!
・小女子のかきあげ
・小女子の佃煮

請戸標準呼称〜「がに」/もくずがに
 請戸での通称は「がに」。正式には「もくずがに」といいます。川と海とを行き来するカニで、ミツバが出てくる頃、産卵のため河口から海の浅瀬(テトラ際なんかに)に集まります。ほとんどが、個人的に楽しむ(勿論、食用!)ために獲っているので、魚屋さんでは売ってません。食べたかったら、カニカゴをもって自らゲットです。日本全国、どこでも獲れるそう?です。ウチでも貰って食べるのがほとんでしたが、子供の頃、よく潮の引いた海岸の大きな岩下に潜んでいるヤツを、「たろがに(多分、太郎がに)」と呼び、獲ってました。何でも、聞いたところによればこのカニは上海ガニと同じ仲間。美味しくないわけはありません。地元請戸では珍味として。いわきでは養殖までされています。
―料理―
・一発技!郷土料理!!【がにまき】
 
「がに」を洗って、そのままスリ鉢にて潰す。それをザルにて濾し、殻に残ったエキス?は水(なるべく少なく!)で流し取る。これをサエ箸でくるくると鍋の底を回しながら火にかける。そうすると、「がに」のエキスが丸まってBB弾ほどの大きさの玉に。一度煮たして味噌で味を整え、ミツバを落としたら出来上がりっと♪
ワンポイント
 サエ箸でくるくると鍋の底を回さなければ、ただの「がに汁」。箸でコロコロ転がして初めて郷土料理の王道、「がにまき」に。だって「がに巻き」なんだから(多分〜笑!)。料理ってエッセンスなんですねえ。「くさし(サボリ)」はいけませんよ!

 ★請戸標準呼称〜「しらうお」/【白魚】
 知る人ぞ知る請戸の高級魚、シラウオです。「白魚のような指!」とか、よく言いますけど、あれって、茹でたヤツですよね?だって、生の白魚なんかは透けちゃってるもん。「透けてる指!」なんて気持ち悪いや。
 姿の美しい魚です。漁は12月頃からありますが、三月に入って中旬を過ぎると最初小さかった体も大きくなり、卵も入り、一段と味わいも豊かになります。初めて食べる人の多くは首を傾げますが、淡白な魚の中では自分的に「王道をゆく!」です。この時期の白魚は甘味があって、同居している苦味との絡まりはなんとも!一度請戸の白魚を試してくださいな!
 よく、シロウオ?とか言われますが、シロウオとは違いますよ。あれは茶色(アメイロ)いし、あれを発音上、白魚と勘違いしている人が多いのが実際です。白魚はあくまでも海で獲れるものであって、川になんか遡がる魚ではありません。全国でもあまり獲れない珍しい魚で、最近は中国産が多いとか。この魚、もし、手に入れることが出来たあなたは幸運です。そして、手に入れることができるあなたは、刺身にできる新鮮なやつをゲットしましょう。まずは刺身で、そしてお吸いに。究極の淡白の粋を楽しみましょう。  
−料理−
刺身
 
刺身といっても大きくても5センチほどの魚。おろす訳にはいきません。そのまま、酢醤油か醤油で食べるのもいいですが、ネギとの相性が最高。白髪ネギにして混ぜたら見た目にもグット。刺身が苦手な人は軽く湯通ししたものを。これを黄身酢和えにしても美味しいよ。
お吸い物
・究極のお吸い。塩加減に注意。材料は白魚・塩・水。いずれも厳選されしもの。
掻き揚げ
 
個人的に好きな料理法です。白魚は火を入れると甘味が増す魚で、掻き揚げにするとその香だけで、ヨダレだらだら。試してもらいたい料理の一つです 。なるべく胡麻油等、香に癖のある油は使わないように。

請戸標準呼称〜「ます」/サクラマス
 はっきり言って個人的趣味、フィールドワーク?の魚です。渓魚ヤマメの降海型でサケ同様に回遊して母川の請戸川に戻ってきます。色は銀銀と光って30cmから、ときには80cmの大物も。魚が川に戻ってくる4月に入ると、いてもたってもいられません。ただ、今年はモロミが例年になく遅れてしまったので、釣りに一度も行けず、従ってアップする写真も用意できません(強気!釣ったら載せます)。 ウチのオバアも庭の山桜が咲くと、「マスの節だねえ。」と、心待ちにしている魚で、食卓に上がると、春の山菜と競演となります。さあ、釣れない魚を釣りに行くぞお!
―料理―
・味噌漬け
 やっぱ、味噌漬けでしょ!
  
・砂糖を入れた酒で、適当にのばした味噌の漬け床にマスの切り身を一晩漬ける。隠し味的に漬 け床に醤油をチラッと入れると味が引き立つ。脂ノリノリで身も甘く美味しい魚です。 家では、味噌漬けの他、自家製の「もろ味醤油」に付け焼きしたものでも食べます。どちらも美味です。

 ★請戸標準呼称〜「めばる」/【メバル】
 目を張るうまさからかメバルとか、言われる魚みたいです。目がデカイですけどね。磯に棲む魚でもっちりとした身と、香りの良い魚です。これの料理と言ったら、煮付けしか食べたことがありません。どうしてでしょう?でも、ふっくらもっちりした身を突付き、プルンとした目玉を口に入れると、至福の時間にトリップ。旨いよなあ。
−料理−
煮付け
・請戸で煮付けといったら、クロガラ、メバル。ホントに旨い。ああ、食べたい!料理?普通に煮付けてください。「美味しんぼ」では、煮付けは、汁を煮立ててから、魚身を入れることと、なってます。



夏魚なつうお・梅雨の長雨が、山から栄養分を運び、海の色が変わる。そして盛夏。青と白のコンストラストが眩しく、どの生き物も精一杯の夏を謳歌するようにそれぞれの生き様を見せる。この瞬間、あの瞬間、ダイナミックに生きろ!ああ、ずっと青春!たん白ながら内に秘めたる命の鼓動を食せ!

★請戸標準呼称〜「ほっき」/【北寄貝(ほっきがい)
 6月1日から解禁の北寄貝。夏の食卓を飾る大型の二枚貝です。ここ請戸では「ホッキ」と呼ばれ、刺身から、吸い物、焼き物、フライ、ご飯、サラダにまで、ありとあらゆる場所?(格好?)で地元民の舌(胃袋!)を満足させてくれます。
  この北寄貝は名前の通り、東北から北の沿岸部でしか獲れないとか。確かに私が関西にいた時分でも「北寄貝」の文字は皆無状態。あったとしても、そこは料亭の時価コーナー。その時初めて西では獲れないことを知りました(それにしても高かったあ〜。)。ホッキ馬鹿になるために、これからの北寄貝シーズンを楽しむために、数々の料理を紹介しましょう!
―料理―
まずは下ごしらえ。
@貝柱を洋食ナイフで切り、身を取り出す。
A身の縁の黒い部分と肝を取り除き、よく身を洗う。
 
(キレイな肝なら食べれます。アルミホイルでの塩焼きが絶品)
・何もたさない、何も引かない派に贈る郷土料理。 〜さしみ〜
 
下ごしらえしたホッキをそのまま切ってわさび醤油にて食す。生たまねぎと共に細かく刻み、味噌で和えても美味。生貝が苦手な人は軽く湯通ししたものをさしみに。湯通したらほんのり桜色。北寄貝特有の甘味もほんのり抜けちゃったり、、、。
・野趣溢れる野生派に贈る郷土(船方)料理。 〜貝殻焼き〜
 
ホッキの貝殻を網(BBQなんかの時に♪)にかけ、下ごしらえした(野生の血の濃い人はそのままでも大丈夫でしょう?)ホッキを殻に入れ、多目の酒(壽だよね!)と醤油でかるく煮詰め、酒精が飛んだら出来上がり。ホッキ好きな人はもちろん、貝が苦手な人でも美味しく食べれる一品。肉より旨かったりしますよ。海でのBBQの時は是非、お試しあれ。そこの奥さん、次回の買い物のときは殻も持って帰りましょ!
・朝まで飲む人のための郷土が誇る一品。〜干物〜
 
っていうかあ〜、作り方知りません。多分、一度茹で上げたヤツを干し籠に入れて干すだけ。そしてあとは食うだけ。実は船方の家でしか食べたことがなく、その味はまさしくつまみの王道!そして値段も王道!→いやしくもその味を求めて船方の家に足が向く。でも、もし店頭等で見かけることがあったら即ゲット。勝手にですが、「これを知らずして、つまみ語れず。」です。 様々な貝の干物を食しましたが、ホッキ貝が一番です。

 ★請戸標準呼称〜「えっちがに」/【請戸のカニ
 正式なる名前は、「ヒラガニ」。ここ浪江では「請戸のカニ」、地元請戸では「エッチガニ」。なんで「エッチ」なの?そういうカニじゃなくて、答えは甲羅の模様。そこには「H」の刻印がっ!
 このカニは本物です。大きさは大きいもので、甲羅幅が20センチ弱と小さいですが、ミソが絶品!並み居るカニをも蹴散らす旨さです!特にこの時期、産卵に浅瀬にきたメスが最高!船の人たちも北海道のカニより、「こっちが、うめえど!」とリキんでます。ホントこのカニ、一度は試してください。甲羅の裏にビッシリついたミソと子を「ほじくった」指をしゃぶるのが、このカニを食す時の至高の瞬間であります!食べるときは一匹とかじゃなくて、一度に10っ匹位イクつもりでいきましょう!食したあと、「がに」の
エキスが染み込んだ指先が、また旨いの何のって!
―料理―
 まず、下ごしらえ。洗うだけですが、たわしで一匹一匹洗うのも良し、面倒なら、芋を洗う棒で一気に洗ってしまいます。でもこの芋棒、普通無いですよね?
 料理は風味を損なわないよう、「茹で」より、
「蒸し」をお勧めします。あとは熱いのを召し上がれ!

 ★請戸標準呼称〜「えぇなめ」/【アイナメ】
 請戸の代表魚の一つ、アイナメ。釣っても食べても人気のある魚です。「鮎並」の旨さ!というのが語源らしいのですが、カジカの仲間であり、結構、夏から産卵期にかけて脂ものるので、別称「アブラメ」から派生したものと思います。にしても、この魚、子供の頃、釣りの標的とした魚です。小さいサイズでもかなりの引き。地味な釣り方には似合わない美味しさ。もちろん、食べても美味しいんだけど。成熟したおとなサイズが脂ものって、上品な甘さもあり美味しいです。秋口が産卵期になるので、これからが美味しくなる魚です。30センチ以上のものは刺身、塩焼き。それ以下のものは、小骨が気になるので、請戸名物「アイナメのたたき」食通も撃沈間違いなしです。鮮度が落ちやすい魚ですので、すぐ調理がお約束ですよ。
−料理−
・刺身
・塩焼き
請戸名物 アイナメのたたき
・これは誰がなんと言おうと、請戸の名物料理です。夏のお客さんには、アイナメ、スズキ、ホッキが順に回ります。なかでも、このたたきはその代表格。お客さんから直接リクエストが挙がるぐらいの人気メニューです。料理法は船方料理だけあって簡単。三枚に下ろした身を包丁でたたくんです。高級料亭では、小骨を毛抜きで1本1本抜いて刺身にするらしいですが、船の上ではそうはいきません。好きな薬味(ネギ、大葉)と一緒にたたいて、わさび醤油で食べるだけ。好みで味噌を和えて食べる人も居ます。どんな訳か、磯の魚の身って、モッチリと味も濃くて旨いんです!


 ★請戸標準呼称〜「すずき」/【すずき】
 請戸の代表格であり、高級活魚、活〆として花のお江戸で高値が付いてるとかいないとか。 私の苗字と一緒で贔屓の、ここ地元請戸を代表する魚だけに、私的にお使い物に使う魚です。魚は捨てるところがないのですが、このすずきに関しては、ほんとに捨てるところがありません。スーパーで切り身だけを買ってるあなた!是非 、請戸の魚屋での1本買いをお勧めします。刺身はモチロン、その皮を塩を振り軽くあぶったり、脂の載ったハラスをこれまた塩焼きに、骨、ガラは潮汁に。この時期のすずきは骨にも脂が載ってるんです。どうか、骨まで愛してあげてください。→これが、お使い物に使うホントの訳だったり?まず、夏のすずきは、たん白ながら、脂も乗り、旨み甘味もあって旨さ爆発です。
−料理−
・さしみ
・塩焼き
・潮汁


 ★請戸標準呼称〜「いせえび」/【イセエビ】
 獲れるんです。請戸で。それも夏の合間。数は揚がりませんが、温暖化のためか、海流に乗ってやってくるようになったのです。寒くなるとこのエビたちは、やがて南の海に帰っていくとか。ま、夏の間の限定!といことで、今回のピックアップとなりました。
 それにしてもこのエビたち、鳴くんです。「ぎぃっ〜」と。これにひるむと、今度は、触角による攻撃!まるで電気をかけられたような感覚が走って、あの気持ち悪い鳴き声は威嚇だったのか? うかつに触ることはお勧めしません。でも、いちびりな私は、これで楽しまない手はない!と、生きてるイセエビを初めて見る人に「イセエビってさあ、触角つかんで持つんだぜえ!」と、何人かが「ビリッ!」とくるのを見て、遊んでいました。そして
この遊びを楽しんだ後に、いよいよ我々の腹の中に入るのです。
−料理−
・刺身
・塩焼き
・蒸しエビ
・エビごはん
エビ汁
・テーブルに上がるだけで、誰の目でも引いてしまうイセエビは、食材でも王様級。刺身や焼き物も美味しいですが、味噌で煮立てたエビ汁もいいですよね。刺身にしてあまったガラを使って。これを使ったエビご飯ってのもイイっすよ。


★請戸標準呼称〜「さより」/【サヨリ】
 夏の港の岸壁沿いに、群れなして泳ぐ角があってカジキに似た魚。でも、カジキは上あご、サヨリは下あごに角がある。よくよく見るとあの下あごを受け口に使ってプランクトンを喰ってる。水面を泳ぐのもそのせいか。そのくせザリガニの尻尾で、なぜか爆釣。内港で波と戯れるサヨリは10センチ前後と天ぷらが美味。そして夏の終わりごろ、外洋で獲れるサヨリはサンマ大となり、刺身としてたん白な味を楽しませる。

★請戸標準呼称〜「あゆ」/【
 「結局かい!」ということになってしまいました。言い訳は→竹竿を頂いたもんで行ってしまいました鮎釣り。でも初めてなんです。ほんとに、、、でもさすがに解禁日、ぴょこぴょこ鮎がかかりました。「これだけ釣れば家族に文句は言われまい。」そう思いながら何度も糸を垂れました。それにしても全国的に夏の魚と知られる鮎。香魚と呼ばれるだけあって味は格別、肝のほろっと苦いのも瑞々しい魚体とあいまって、まさしく夏の川の味。なにせ、鮎はその川、川で味・香りが違うとか。環境が育てる味。川の味でもあるし、人の味でもあるんですね。
―料理―
・塩焼き
・天ぷら、フライ


秋魚あきうお・月明かりに虫の音、稲わらの匂い、濡れ落ち葉が地面を染め、新たな息吹を待つ。落ち葉から養分が溶け出し川に流れ、海に至る長い旅路の始まりと終わり。そんな郷愁にも似た景色に血が滾るは本能。輪廻の因縁。この味生きる糧。

★請戸標準呼称〜「いわし」/【いわし】
 いわし。庶民の魚はもう過去の話。それでも季節物となれば、幾分手に入りやすい。「いわし!」だなんて結構馬鹿にされやすいですが、値段も安価であったということで数多くの料理法が存在します。ウソっぽい話で、「七度洗えば鯛の味」と言われます。でも、今回は手を尽くせばどんな料理もデキる!という風に勝手に解釈しときます。
 「サンマ、苦いか、しょっぱいか。」なんて言葉が残ってるとおり、青身系の魚の肝は当たり外れがあります。鮮度によるところが多いのでしょう。その通り、ホントの時期(近海)でないサンマより、近海で獲れたいわしの肝の方がずう〜っと、甘いはず。サンマより、いわしの肝なら食べれる!という人が多いのでは?
まずは、お験しを。
−料理−
・刺身
・梅煮、酢煮
・塩焼き、目刺し・頬刺し
・蒲焼風
・梅しそフライ
・骨せんべい
・つみれ汁
・なめろう

 頭に浮かぶものでもこれだけの料理があります。それだけ、思い入れのある魚ではないでしょうか。青身で鮮度落ちしやすい魚なので、梅、酢、酒などを使って臭みを取る料理がほとんどですが、この季節、真鰯は大きく育ってますので、新鮮なものなら、身の大きさが生かせる料理がいいですね。個人的には、時期は過ぎましたが、大きくなったヤツより畳鰯なんかが、酒のアテにはお気に入りです。
・ちゃんとした蒲焼もあるんでしょうが、家の料理の蒲焼風を紹介しましょう。まずは、大坊さんから鰻を取って、この残ったタレを使います。このままではスコシ濃ゆいので、酒で適当にのばします。。


★請戸標準呼称〜「かつを」〜/【かつお】
 
請戸でカツオが獲れるというのは、案外、浪江の人は知らない事かもしれません。その昔、請戸でもたくさんのカツオが獲れる時代がありました。家に記録写真がありますのでそう、遠くない昔と思います。とても大漁で、賄いきれない分は鰹節に加工したそうで、何やら酒蔵も使われたとか。考えられないことをしていた訳です。そしてこの鰹節、磐城節と冠して、売られていたとか。酒蔵の前で山になったカツオをさばく人たちの写真もありますが、家業が酒造りしか知らない私にとっては、メチャクチャ異様で、ちょっと、許せません(笑)。
 請戸のカツオに話を戻しますが、カツオ漁はお決まりの一本釣りです。最近、高知等のカツオ漁では、群れを一網打尽にする網漁が一般的で漁業資源が心配され、一本釣りが見直されているところですが、請戸のカツオ漁は今も昔も一本釣りです。この一本釣りが変わっていて、釣ったカツオを甲板に叩きつけて針を外すのではなく、一匹一匹抱きかかえて、針を外すのです。従って身は痛みません。これが、味に重大な結果をもたらすのです。今では、漁場も遠くなり旬季にカツオ漁をする船が数隻となってしまいました。往事を知る人も少なくなり、寂しい感はしますが、一味違う請戸のカツオを一度は食べてください。
−料理−
・刺身
・フライパン焼き
・ハラス焼き
・ほし焼き

・ハラス焼き

  脂のりのりの、ハラスをただ、塩のみで焼いて食す。屋外でのバーベキューでもこの一品にはまる人は多いはず。生姜をすりおろして、醤油でフライパンで焼くのも美味。飯がすすむ。
・ほし焼き
  ほしとは、心臓のこと。ほしを焼き鳥様に串に刺して、塩をふりかけ焼き食べる。めちゃイケてる酒のつまみ。ほしをにんにく、生姜醤油に焼きびたしにしたもの、フライにしたものもオツ。海の結晶。
   



★請戸標準呼称〜「さんま」/【サンマ】
 秋の味の代表格!サンマです。ジリジリ焼く、あの煙と香り!た・ま・り・ま・せ・ん?!請戸での水揚げはありませんが(わずか)、サンマ船に乗務してる人も居るんもんで、今回のピックアップとしました。料理法は先月のイワシともダブるものも多いですが、結局このことは、我々に広く慕われているということに相成ります。近頃は焼く際の煙がひどいもんで敬遠する人も多いということも聞きますが、そんなご家庭の都合に納得できない人たちは、居酒屋であったり定食であったりで、この秋の味を堪能しているはず。食べたい時が旬てことで。
−料理−
・刺身
・塩焼き
・蒲焼風
・つみれ汁
・サンマのハンバーグ

・サンマの一夜干し

 サンマの干し物では、みりん干しもありますが、このサンマの一夜干しをあぶったものが一番美味。一夜干しなので脂は落ちずに、水分がいくらか落ちて旨みが増した身に、これまた香ばしい旨みのとけた脂が染みわたり、一匹でご飯4杯はイケル旨さ。一匹で酒を5杯、もう一匹で飯を4杯と、ハマる旨さです。店頭で見かけたら即ゲットすべきです。

・サンマ飯
 これは、新鮮で脂ののったサンマを選んで、そのサンマを刺身にして余った皮で作ります。サンマの脂で照りを良くした米粒が食欲を誘うこと間違いなし!ウチでは新米に切り替えるため、古米を頑張って食べるこの時期に、目先を変えるのに良く食べます。よく古米にサラダ油を入れたく人が居ますが、これと同じ原理?だと思います。熱くても良し。冷えても美味しく食べれますよ!
・これは生臭く炊いてしまったら台無しです。このコンテンツでは珍しく味付けが肝心?な料理です。


★請戸標準呼称〜「べろ」/【したひらめ】
−料理−
 ムニエルはフランス料理でも高級料理として知られていますが、ここ請戸では庶民の魚、「べろ」と呼ばれています。 「べろ」とは「舌」のこと。味付けの軽い煮付けか、活きのいいのは塩焼きが絶品です。 こけを削ってから調理してくださいね。
− したひらめのたたき −
 縁側を取って皮をはがして骨ごとたたいて食べる。あとはわさび醤油で。

★請戸標準呼称〜「さけのよ」/【サケ

【サケ 第1弾】


菅野幸夫氏見立ての最高級請戸沖鮭
 地元の代表的な秋の魚、鮭を紹介します。 近くの請戸川は、東北随一の規模を誇る鮭簗場を備え、毎年10月下旬から、11月上旬にかけて遡上のピークを迎えます。 ただ、今年は水温が高く、揚がる本数が例年に比べ、極端に少なく関係者をヤキモキさせています。

 請戸で鮭は、川に遡上したものと海を回遊しているものの両方、水揚げされますが、肉質的に海を回遊しているもの、 メスよりオスのほうが数段上で、川に遡上したのは「猫またぎ」とも呼ばれたりしています。 数千キロ旅してきた鮭にとっては気の毒ですが、確かに普通の焼き物ではちょっと辛く、バター焼きにしたり、 イタリアン風にバルサコミ酢にしたりちょっと油を加えるような料理法で美味しく食べれる?ようになります。 3年にわたる長旅をしてきた鮭に敬意を表して、美味しく食べる料理と、地元の伝統的な鮭料理を紹介しましょう。


−目利き−
 卵はぶな色、身は銀毛で選ぶ
 おなかの色艶、はりのよいもの。
 えらが鮮紅色してるもの。
 水臭さのないもの。



1200gのいくらを抱える超大物でした
−料理−
何とかして食べる料理
 ・チャンチャン焼    ・バターホイル焼    ・
バルサコミ酢の鮭カツレツ
田舎料理
 ・紅葉汁
その他
 ・鍋料理一般  ・粕漬け
今夜も飲めるぞ!左党つまみ。
 ・鮭筋子の酒粕味噌づけ
 あんまり美味しいんで(我が家秘伝)。お酒買った人しかお教えできません 。笑。
 試してみたい方は、お酒発注の折、「酒粕希望」と記入してください。 必要分の筋子専用酒粕とレシピを無料で同送致します。(筋子はつきません。悪しからず。)

−紅葉汁−

材料:生鮭(あらの方がだしがでる)、大根、人参、こんにゃく、味噌
下ごしらえ:全てぶつ切り、あらはよく水洗い
調理:最初に大根を水で煮、火が通った所に残りの材料を入れる。 入れ終わったら、里芋がずるずるにならないよう、すぐ味噌を入れ、ある程度味を決め、 柔らかくなるまで煮込んだら出来上がり。

【サケ 第2弾】
 川に簗もすでに組み込まれ、この10月から11月一杯まで鮭のシーズンです。気の早いのは遡上しているのですが、まだ地元民の口に入るのは10月の中旬以降になるでしょう。鮭の遡り始めのこの時期、試してもらいたいのが、 川に上がる前の海で遡上の準備をしている鮭です。まだこの時期の鮭は、体色がブナ色になっている個体が少なく、味は○です。鮭の季節の走りのこの時期、銀毛の鮭を試してみましょう!  
−料理−
鮭ステーキ
 
大胆に輪切りにして、フライパンでそのまま焼き上げましょう!バター大目に塩コショウを忘れずに。
鮭筋子の酒粕味噌漬〜おつまみに最適〜
・材料 イクラではなく筋子、酒粕(練り粕)、味噌
・漬け床は酒粕と味噌にて、味加減を見てブレンド。ひとつまみの砂糖が隠し味となります。
・漬け方はタッパーに取り分けた漬け床にガーゼを敷きそこに筋子を置き、ガーゼで包んで、もう一度漬け床をかぶせます。一晩から味がつきますが、お好みの味のつきかたでお召し上がりを。


★請戸標準呼称〜「しらす」/【シラス】
 今年豊漁だった鮭漁が終わり、続いてシラス漁が始ります。請戸の小魚第2弾です。コオナゴよりは味の弱い魚ですが、なぜか朝食の食卓などに上がると、安心する魚です。干したものを食べるので食べ方は限られますが、ツマミにはいいです。小さい順番に並べたりして、たまには小魚気分になってみるのはいかがですか?
−料理−
・刺身
・干してそのまま


冬魚ふゆうお・阿武隈おろし、荒立つ波に上がるしぶき、音は大地を揺らす。大地、大洋を耕す音をも片隅にと、生きる物はオンリーワン。未来を信じるモノの味は暖かい。 さあ、明日への灯をともせ。

★請戸標準呼称〜「たこ」〜【
                                              季節も12月に入り請戸港では網篭が目立ち始め、年の瀬を身近に感じさせます。 この篭にえさを入れ海底に沈め蛸を獲るのが蛸篭漁です。かつて蛸壺漁もありましたが、今では篭による漁です。
 蛸は足があり、ちゃんと歩くんです!子供の頃、漁師さんが獲ってきた蛸を家のいけすに入れていたところ、蛸がいなくなりました。当初猫にでもやられたのかと思っていましたが海への堤防をモソモソと動く影があります。近づくと蛸で、そこまでの距離50メートル弱を脱走してきたのです(ちゃんと海に向かって)。その日の夕食にはその蛸が当然のように食卓に上がり、この時初めて人間の業を感じた思い出の魚?(蛸)でもあります。
(右写真) 秋刀魚をえさに捕らえた蛸をいけすから揚げて、セリにかけるところ。袋に入れられているのは、蛸が逃げてしまうため。いけすの縁にさえ足がかかればヒョイと超えて逃げてしまう。セリにかける寸前に(上の写真)蛸を袋から出します。
−蛸の刺身−
料理法
 生きた蛸の皮をむき、薄切りにて。(皮をむいた方がより淡白な味を楽しめます。)

★請戸標準呼称「まご」〜【まこがれい】
 12月と言ったらこの魚、まこがれいです。今年は漁が遅く、水揚げが心配されますが、なんと言ってもこの時期は卵持ち。煮付けにして食べましょう!もっちりした卵をつつき、縁側を骨ごとしゃぶる。冬の味覚でありますなあ。請戸で獲れるカレイは色々あるけど、節によってそれぞれ美味しい時期が。どうせなら美味しい時期に食べましょう!でも、身は夏がめちゃくちゃ旨いっス!
−料理−
煮付け
 
普通に煮付けてください。魚はヌメっと、縁側に張りがあり、艶があるものを。

★請戸標準呼称〜「ひらめ」/【ひらめ】
 底魚の帝王、ヒラメです。顔を近づけて見ると、見かけによらず獰猛な顔をしています。ギザギザとした歯並びで、釣り上げた漁師さんも手を切らないように気をつけるほどです。請戸港のヒラメと言えば、築地でも名の通った魚で、地元では漁師さんから貰わない限りは、なかなかお目にかかれない魚となっています。冬の到来と共に、ヒラメの季節ともなって、来る正月を控え、高値となってますが、火鉢にあたり、縁側を軽く炭火でアブって食べるなんてどうですか?養殖モノにはない旬を楽しんでください。
−料理−
・刺身
・焼き物
・煮付け

★請戸標準呼称〜「どんこ」/【どんこう】
 冬になると美味しい魚。アンコウと並んで底魚の地魚代表どんこです。見た目は不細工で、どんなものでも食いつく悪食魚。海のハイエナ的存在で「海の掃除屋」と呼ばれたり。一方では、モノにいやしい人のことを陸(おか)どんことも。いやはや、なんとも、かわいげない(かわいそうな?)魚ですが身は淡白で、身がしまる冬(夏は水っぽいような)には刺身に肝をあえて食すと美味。でも、なんといっても素焼きがどんこの王道。「どんこは腑を食え!」という言葉がある通り、どんこの見た目に負けて、身しか突付かないのは幸少なき人。アンコウにもひけを取らない味を覚えたら、もう、あなたはどんこ派です。そんなあなたに注意。「どんこは急いで食うな!」この言葉の意味分かります?どんこには、たまに体内に釣り針が残ってることも、、そんなどんこを急いで食べたら、あなたは立派な「陸どんこ」です! 
              −目利き−

ぬめりがあって腹の太ってるもの。

鮮紫色してるものほど新鮮。

−キング オブ 田舎料理! 「どんこのたたき」−
料理法
 新鮮などんこの身と肝を包丁でたたいて和える。イッツア漁師料理!肝は生のものが美味しいが虫がいるので危険(だから包丁でたたくという意見も)。火を通したものを用いるのがよいでしょう。わさび醤油と薬味としてねぎも可。今夜も飲めますよ!

★ドンコについての考察。
・どんこは、魅力一杯の魚。「どんこの会」が巷には存在するほど。それなりに拘る人も多い。そんな人も一度試すべきは、炭火焼。炭火焼でこれほど香りが変る魚は経験無い。身が少々水っぽいのが、その理由だと思われる。  


★請戸標準呼称〜「あんこ」/【アンコウ
 冬底魚シーズ第2段!アンコウが揚がり始めると春はもうそこ。茨城から、福島の沿岸は漁と料理も豊富。アンキモは言うに及ばず、その凝視できない姿態とは別に、捨てるところのない魚です。泳ぐ姿が容易に想像できる魚ですが、さすがフィッシュイーター。獲物をとる段となると結構機敏です。漁港請戸の料理を紹介しときましょ!
      
−料理−
田舎料理
 アンコウのとも和え   うめえ!
 ・アンコウのとも酢和え  うんめえ!  
―アンコウのとも酢和え―
      左写真

アンコウを茹で上げ、身をほぐし取り出す。肝をカラ煎りして溶かした後すり鉢に移し、滑らかになるまでよく磨る。これに砂糖、酢、味噌の順で味をととのえ、最初にほぐした身にかけて出来上がりっと♪
キング オブ 田舎料理!
−どぶ汁−
名前はよろしくないが旨い!
材料:
あんこう一口大にぶつぎり!)、肝、大根(あつさ1cmの銀杏切り!)、味    
道具鍋一つ!
調理:最初に
アンキモを鍋で煎り、ぶつ切りにした身を入れ炒める。次に大根を    入れ柔らかくなったら、味噌をいれ味をととのえる。
決め手:アンコウの身から水が出るのでなるべく水を加えない方が味がよい。

 


★請戸彪純呼称〜「たら」/【まだら】
 小学生の時分、よく河口に波を被りながら釣りに行った。でも、よく釣れることはなく、よく濡れて帰った。そんなことはどうでもいい。この時期、鱈は産卵期。身は太り、鱈鍋の、あのふわっと浮く白子。白子。白子。滑らかな触感と濃醇な味。見てくれは不恰好だが味はいい。この時期、冷え切った体に鱈鍋を。
−料理−
鱈鍋
 
魚って捨てるところはないんですよね。鱈なんかその代表格です。身は身でそのまま鍋に入って当たり前ですが、アラが入らないと鍋にはなりません。魚屋さんからは絶対にアラも引き揚げてください。いいダシが出るし、目玉とか頭肉、骨とかア、美味かったりするものです。生ゴミは増えやしますが、身だけの鍋ほど、味気ないものはありません。そうそう、鱈鍋は味噌仕立てで、白ゴマで風味倍増です。試してください。


めざましTV、番外編!! 
夏の粕漬け
 めざましTV放映記念(ちょっとの間だったけれど)といことで、そのときの料理を紹介しましょう。
 酒粕は冬の食べ物。身体は暖まるし、私もそう思ってました。でも、そんな酒粕でもワンランク上の吟醸酒の酒粕を使えば、涼しげなメニューができちゃったりして♪
 吟醸粕は冷蔵庫にて保存してたものを使用。麹の上品な甘味が楽しめるうえ、エグミ(くせ)がないので、調理したものを冷たくして、美味しく食べられるのが夏向きで○。もし、吟醸粕がない時は、市販の酒粕を軽く水で溶いて煮立たせ、香りを飛ばし、少し冷ましたものに街の糀屋さんから買ってきた麹をパラッと入れたら代用可。麹は栄養豊富。特に麹で作った甘酒は、江戸の昔から夏バテ予防の滋養剤として飲用されるほど。かなり暑そうな今年の夏。下の料理を試してみはいかが?


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