D仕込み蔵−「冬期平均7℃、手仕込みの蔵」
名前の通り酒を仕込んでいく蔵です。仕込み時期は12月〜3月中旬頃の寒さが続く冬期です。通常、仕込みは3段階に分けて行い、それぞれが初添え(添え)、仲添え(仲)、
留め添え(留め)と順番に仕込んでいき、留め添えから25〜35日でもろみを搾ります。
なるべく早朝の澄んだ冷えた空気の中で仕込みたいので、それぞれの仕込前の2時間ほど前に、水麹を作ります.毎朝、5時からの仕事となります.
一日目 初添え 酒母+麹+掛け米(蒸し米)+水で仕込む。
二日目 踊り 仕込み休みの日。初添えに仕込んだもろみを踊るくらい元気に。
三日目 仲添え 麹+掛け米(蒸し米)+水で仕込む。量は初添えの倍量。
四日目 留め添え 麹+掛け米(蒸し米)+水で仕込む。量は仲添えの倍量弱。
このように仕込みは雑菌に酵母が負けないように、少しづつ量を増やしながら、酵母の増殖を促します。
この三段階に分けて仕込む方法を3段仕込みと言い、この仕込まれたものをもろみと言います。
もろみは酵母の増殖期と、糖をアルコールに変えるアルコール発酵期に分けることができます。
これと同時に麹の糖化酵素がでんぷんを絶えず糖にしており、この間の温度管理が発酵、糖化のバランスを考えるうえで重要で、
細やかな気配りが大切となってきます。この発酵形式を並行複発酵式といい、世界にも極めて稀な日本酒醸造の特徴となっています。
日本酒のアルコールが醸造酒の中で高いのもこのためです。
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