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14BY 酒造り奮闘記

2003/6/20 熟成。

 11年度醸造の山廃純米大吟醸が、いい感じで熟成してきました。味にジュクジュクとノリ感があります。毎年、今年の秋には!と、声にならない叫びを上げていましたが、ようやく、声に、いや、活字?にできそうです。夏に向けて明るい材料というか、待ってて良かった。そんな心境ですな。体力ないのに、耐久レース好きなんて、趣味と一緒やん!

2003/5/18 無事終わり。

 半期使った機械の整備も終わり、ようやく蔵の仕事も片付きました。これからは、貯蔵酒の温度管理です。今年は、今までの−5℃、−3℃、0℃、10〜13℃の冷蔵庫に加え、18℃の冷房室を用意しました。この部屋では、純米酒、そして、山廃の純米大吟を一時期置いてみようかと思っています。
 海の近くの酒蔵で、夏涼しいという立地を活かして、何とか、常温 (当蔵で言うと、夏の暑い時期で蔵内20〜22℃。20℃越えるのも2週間なく、その前後ひと月を冷蔵庫にて貯蔵しよう!→) の15〜20℃で貯蔵しても、酒の力が萎えない酒質を目標の一つにして来ました。今季の造りの酒は(まだ完全にはその条件は満たしていませんが)、目標に近い酒質には出来上がっています。まず、秋口をお楽しみに。

2003/5/14 蔵見学。

 造り中には、なかなか行けない蔵見学。無事に改造も迎え、行って来ました。場所は名古屋の「九平次」さんと、静岡の「開運」さん。どちらも、すばらしい蔵でした。思いに曇りがないこと、そして、その思いが酒に表れているのが、私にとって励みでありショックでもありました。やる事はやって、なおかつ、やれる事もやる。言うは易し、行うは何とかで、その姿勢はキッチリと酒質に表れています。酒質がキマったうえに向上心を持って酒造りに望む。理想とする姿でもあります。以前、酒は造る人の柄と言いましたが、今、改めて思いました。

2003/4/4 火入れ。

 最終の低温殺菌(火入れ)の作業です。可愛い酒たちは、火を入れた後、蔵の中で一夏を過ごします。この作業をしている時は、さすがに心もほころんで、蔵人さんらと、昔話、今季の造りの話、故郷の話と、会話も弾みます。この仕事は、暑くなるのでTシャツ一枚でやるのが常です。春の訪れを言葉どおりに肌で感じることが、この開放感にも似た、清々しい心地よさを与えてくれるんでしょ。
 家に一枚の額が掲げられています。そこに記されている言葉は「飲酒その神全うす」。この言葉の意味を感じ、喜びをもって、今晩は美味しい酒を皆で飲めそうです。

2003/3/21 皆造。

 始りあれば、終わりあるもの。この日を待ち遠しく、待ち望んで居たのは誰?モロミを全部搾り終える事を皆造というんですが、最後の火入れ貯蔵までが、忙しい。ホントの意味の改造を4月3日に定めて、やっつけっぺ!

 

2003/3/2 大吟醸。

 大吟醸搾りました。柔らかく含み香がひろがり、やさしい味。目指してた酒に近い形です。昔の吟醸っていうか、ちょっと懐かしさを感じる酒です。ただ、鑑評会での金賞は多分無理(それでも造り手は、ほのかな望みを抱くのよ!)ですが。
 とりあえず、毎年お世話になった人たちへ、大吟(35%)だけど、「吟醸 あらばしり」として出荷します。味と訳は小売店で聞いてください。早い者勝ちです。

2003/2/28 搾り。

 袋吊りの前日の休憩中、袋にモロミを汲む方法についてポンプがいいか、手汲みがいいか、話題になった。麹屋さんの経験では、断然、手汲みが良いとのとこと。元来、試したがりやの性分。ポンプと手仕事を試してみた。すると、袋の通りが良いので、酒が早く集まり、多く取れる手汲みの方が、味もキレイで香も軽く、ポンプのものより酒質が上回る。こんなにもはっきりとした、差が生じるとは正直思わなかった。
 吟醸系は、しっとり、ほのかな吟醸香にやさしく緻密な味わいを目標の酒質としていただけに、酒質的に結果が表れやすかったということ。この結果から、目指す酒質によっては、通常の作業も見直しの必要があることを念頭に置かなければ、レベルアップは叶わないことを実感。今更ながら、痛感のうえ、反省。上ばっかじゃなく、足元見なきゃ。ちょっとのことが、大した差。肝に銘じる。

2003/2/24 甑倒し。

 今季酒造りも今日が甑倒し。最後の仕込も無事に済みました。毎日更新を目標に始った、この「酒造り奮闘記」も、今季は育児が加わり、なかなか更新が出来ない状態。お詫び致します。そのおかげ?か、楽しみな酒が多く搾れています。搾れた段で、美味しいのが出来るのも、それでいいかもしれませんが、将来に繋がる酒が出来た時は、もう、喜び組の人です。他人にとっては、たまに?な酒かもしれませんが、そんな時の私を皆さんに見せたい!というのは残念ながらありませんので、悪しからず。

2003/2/10 土耕ん醸!

 今年の土耕ん醸は二種類。「五百万石」から「夢の香」に切り替えた通常のものと、例?の復活米「農林21号」を原料米とした二種類です。酒母の性格はほとんど同じでしたが、モロミにしてみると全くの別物。「夢の香」は味のバランスがよく柔らかい味でウチのモロミらしい味。それに対し「農林21号」は、色んな味が強く、濃く、荒々しく出ており、柔と剛の酒といった感じ。たまに蔵見学に来る人の好みは「9:1」で「夢の香」。でも、「農林21号」には期待してるんです。荒々しいモロミを搾ると力強さは失わず、荒さが取れ、イイ酒!なんて事があるんです。搾ってみないと分からないのが酒で、いつも感じることですが、怖いところでもあります。

2003/1/28 蔵人。

 私が小学生の時から来ている精米さんの調子がどうも優れない。正月明けから太ももが痛んで、歩く姿も見るも痛々しい。病院の診察では「神経痛」と。
 普段から少々の痛みなら表に出さず、黙々と仕事もこなしてきた人だけに、今回「痛い」と言うのはよっぽどの事。仕事も思うようにならないということが、本人の責任感を締め付け、痛みを倍増させている。岩手の家族の人たちの心配は私たち以上だし、精米さんも、蔵との板ばさみで、辛い立場。本人の気を軽くするため、早く良くなってもらうためにも、しばらく休んでもらうことに。精米さんの名調子、早く聞きたいものです。

2003/1/24 大吟の仕込み。

 正月の休み明けから、半仕舞いで一気に畳み掛けてきた仕込みもいよいよ大詰め。大吟の仕込が始りました。50磨きの純米吟醸から始まり、35%大吟醸、45%の山廃純米大吟醸の雄町・山田錦バージョンを終れば、仕込みは、搾り調整のため一時お休み。それまでは、蔵人に加え家族総出の仕込みになります。洗米、蒸し米の放冷など、人手に頼る作業に切り替わるので、人の手が欲しい欲しい。でも、今日は洗米時に、原町の小売店・大亀さんの飛び入り参加もあって助かりました。さすがに、吟醸の手洗いは経験しているだけあって慣れたもの。またよろしくお願いします!

2003/1/10 初搾り。

 キレイになった搾り場での今季1号の搾り。今年は米が硬めでモロミ持ちがよくキレイめな酒質です。酒の味は、少々荒く、仕込み1号らしい味。弟も気に入ったようで、昨季までお世話になったお蔵さんに酒を送ったようです。
青木杜氏は何て言うかな?

2003/1/1 元旦仕込み。

 たまたま、年内最後になる仕込みが1日ずれ、元旦に。蔵人も正月休で昨日帰郷。これでは家族で仕込むしかない!と、協力は取り付けていたんですが、結局、大晦日の忘れ酒(都合いい名前だね)によって事は流された始末。ある程度予想はしていたので、がっかりはしなかったけど、家族に裏切られることほど辛いものはないです。とはいえ、トホホから始った2003年も無事に迎えることが出来ました。今年もよろしくです。

2002/12/13 初添え。

 本仕込みに入りました。去年は年明けに純米酒の仕込を固めましたが、今年は2クールに分け前半に集中。暖冬を見越してのことですが、天気予報はアテにならないと思いながらも、寒さがひと月ほど早く来ている感もあり、仕込みも今までの変形半仕舞いから、完全半仕舞いに。寝ずに作成した通しの作業工程表を見直して、また疲れた。

2002/11/20 蔵入り。

 いよいよ岩手から蔵人さんも来福。初めての米洗いも済ませて、長い禁欲シーズン?が始りました。今年から弟も入蔵。楽な面もそうでない面もでてくるでしょうが、今年は初めて酒造り経験者が揃った年でもあり、今までやりたかくもできなかった作業に、手が出せるということで、一つ勝負の年にしたいと思っています。まずは、祈!

2002/11/3 精米開始。

 今年の米の性質を見るに(玄米)、特段、最初の精米は重要。地元のものは粒がやや小ぶりで、硬め。モロミもちが良さそう。こういう年は、米の味を出しずらいという傾向もあり、硬い米でも逆に、原料処理に気を使うということも起こりうる。今年から、正確なデータを蓄積したいと、いつも途中で挫折していた1.000粒重の計量を新たな戦力となった嫁さんに依頼。仕込みが終わるまで、何十万粒数えることになるということを、本人には、まだ言っていない。そして、その機械があることも。

2002/11/1 今年も。

 今年もまた、酒造りシーズンを迎えようとしています。仕込み本数も減らすことなく仕込めるということに、改めて、皆様に感謝・御礼申し上げます。
 さて、今年は、地元農家の敬記さん、一郎さんによる復活米「農林21号」あり、県の新酒米「夢の香」あり、そして私の道を狂わせた?「雄町」(岡山産)があったりして、シーズン待ち遠しく、造りに入る前からやる気満々でございます。
 そんな訳で、こんな気持ちを抑えきれず?搾り場のペンキ塗りを手始めに、タンクにも塗り塗り。床にも塗り塗り。でもって、こういう仕事をしていると、蔵の中の細かい所(ボロ)が見えて悲しくなって、ついでに日曜大工と、これから始る酒造りに向けてD.I.Y用品は増えるばかし。来る入蔵に向け、蔵の手入れに励んでいるところです。
 今年もよろしくです!

2002/10/20 誕生。

 いやあ、感動的なシーンです。出産。無事に長男が誕生しました。まじ、忘れられないシーンです。嫁さん、たいしたもんだあ!子供もたいしたもんだあ!父ちゃん?
 生きる力とはたいしたものです。悠久から普通に続いているものにも拘らず、現代では、そう感じることが希薄になってると感じていた近頃、結局何も分かってなかったんだなと、痛感した次第です。ひょっとすると、身の回りには、たくさんあるかもしれません。生きるって喜びを感じること。生きるって畏れを知ることじゃないですか?いつもの自分らしくナイ話で恐縮ですが、気付いてみると、案外無駄なものが多すぎません?戯言でした。喜び、慶びをもって、この造りは、取り組みたいと思います。

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